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こんにちは。Webデザイナー兼コピックイラストレーターの柚水流亜( @yuminaruaBlog/@yuminarua)です。
イラストを描くのが好きな方の中で、色塗りはいいけど、ペン入れ(線画・清書)が苦手、つまらないという方は多いのではないでしょうか?
よく迷い線を減らせばペン入れが上手くなると言われますが、考えながら描いているとどうしても迷い線は多くなりますよね。
実は私も下絵ではかなり迷い線が多いです。
ですが、私がYouTubeに投稿しているメイキング動画では、ありがたいことに「線画が綺麗」とコメント欄などで褒めていただけることも多いです。
ですので、今回はそんな迷い線の多い私が、ペン入れ上達のために意識したコツをご紹介します!
※迷い線とは…線を描く時に、線の正しい位置が明確ではなく模索しながら描くために生まれる、本来描きたい絵とは関係のない線のこと。
線画を上手に描く4つの方法・私が実践したコツとは
ペン入れで失敗しないために私が実践している4つのコツは以下の通りです。
- 下描き段階でなるべくイメージを固めておく(カラーシャープペンシルを使うのがオススメ)
- 自分にあったペンを使う(つけペン・ミリペンなど、使いやすいものを選ぶ)
- 短い線を繋げるようにして描く(1ストロークで描こうとしない)
- 下絵を意識しすぎない(リラックスして線を引く)
方法1:下描き段階でなるべくイメージを固めておく
下描きでイメージを固めきれていないと、ペン入れしながら
「ここはもっとこうした方がいいかな?」
「あれも足したい、これも足したい」
と、線が迷いやすくなります。
ペン入れしながらそのまま軌道修正できるならそれでもいいのですが、なるべく下絵の段階できっちり描きたい要素を固めておく方がいいでしょう。
とはいえ、最初からイメージどおりの完璧な下絵を一発で描ける人なんてそうそういません。
人それぞれやり方は違いますが、私の場合下描き段階で最低でも下記の3回の工程を踏みます。
- 大まかなラフ(ざっくりイメージを掴む作業)
- 下絵の元となるイラストを描いていく(下描きの下描き)
- ペン入れ用のための下絵(下描きの清書)
- ペン入れ(本番)
直接下絵にペン入れをする場合もあれば、このあと
- 別途本番用の紙に下絵をトレース
- 迷い線などを除外した状態で更に下絵を煮詰めてからペン入れ
することもあります。
工程1:大まかなラフ(ざっくりイメージを掴む作業)
なんとなくこんな感じの雰囲気にしようという頭の整理の作業です。
この段階ではパースや装飾などの細かいところは無視して、ざっと雰囲気だけ掴みます。
この段階でペン入れはしないので、紙はコピー用紙やノートなど適当なものにいつも描いています。
工程2:下絵の元となるイラストを描いていく(下描きの下描き)
ラフとは別の紙に描いていきます。
ラフのイメージを元に、消えるタイプの水色シャーペンで下絵のベースとなるイラストを描いていきます。
この時パースを取るための線や、本来はペン入れしない線もしっかり描いていきます。
いつも最初は人物の服を着せないでポーズを取らせてから服を着せていくのですが、その作業もこの段階で行います。
あとでそのままペン入れをする場合は、本番用の紙を使うことが多いです。
シャーペンの色は消しゴムで消せるタイプなら何色でもいいですが、私は水色をよく使っています。
▼ 複数の人物を描く時の例
▼使用しているカラーシャープペンシルの芯はこちら
工程3:ペン入れ用のための下絵(下描きの清書)
普通のシャーペンで先ほど描いたイラストの線の上を、ペン入れする際に描きたい線を決めながらなぞっていきます。
ここでも水色の下絵の補正をしつつ、装飾部などの細かいパーツを描き込んだり、服のデザインや皺を決めていきます。
また、この時はなるべく迷い線が少なくなるように、ペン入れのプレ本番のつもりで線を描いていくのが、ペン入れで失敗しにくくするコツです。
工程4:ペン入れ
ここで納得の行く下絵が完成したら、直接この本番用の紙にペン入れを行います。
ちなみに普段私がよく使っているペン入れの道具は、【ピグマ 黒 0.05mm】と【コピックマルチライナー各種】の、1本200円ほどのミリペンを使うことが多いです。
また、ペン入れの時にパーツや人物ごとに線の色を変えるのも、ごちゃごちゃした線画を整理しながらペン入れできるのでオススメです。
カラーシャープペンシルを使うメリット
上記で下絵に水色のシャーペンを使っていましたが、実は昔の私はこの色付きの線を使うメリットが良く分かっていませんでした。
ですが、凝った絵や複雑な絵になればなるほど、黒の鉛筆だけですべての下絵を描いてしまうと、迷い線やパースの線などで画面がごちゃごちゃしてしまいます。
そうすると、ペン入れをする際に誤って関係ない線をなぞってしまうという失敗が起こりやすくなるのです。
またセピアやグレーなどの薄い色のインクでペン入れをする場合も、下絵が黒の鉛筆線ばかりだと、なぞった線が見づらいこともあります。
ですので、下絵を整理したり、余計な線を間違ってペン入れしないために、カラーシャープペンシルを使うことをオススメします!
▼私がよく使用しているカラーシャープペンシルの芯はこちら
※ペン入れ後に下絵をまとめて消すので、消しゴムで消せるタイプのカラーシャープペン(色鉛筆)を使いましょう!
方法2:自分にあったペンを使う
ペン入れといえばGペンや丸ペンなど、よく漫画家さんが使うつけペンのイメージがありますよね。
つけペンは線の強弱もつけやすく、太い線から細い線まで柔軟な線幅を表現することができます。
またインクにもよりますが、しっかり目の濃い黒色で描けるのでカラーイラストにおいても絵にメリハリが出しやすいです。
ですが、つけペンは扱いが難しく必要な道具も多いため、初心者には少しハードルが高いと思います。
それにインクが乾くのに少し時間がかかるため、乾くまでに線を手で擦って紙を汚してしまうという失敗もよくあります。
そのため、私はピグマやマルチライナーなどのミリペンを愛用しています。
ミリペンであればインクが乾くのをほとんど待たなくてもいいですし、道具もあれこれ用意しなくていいので手軽です。
線の強弱も、多少筆圧で調整できるのと、ペンのサイズの種類を増やしたり、細い線を重ねて太い線を描くこともできます。
このように、なるべく自分が使いやすいペンを使ってペン入れをするのも、綺麗にペン入れをするコツのひとつです。
またペン入れに使う画材によって絵の雰囲気を変えることもできるので、色々試してみてはいかがでしょうか。
- ミリペンでも、消しゴムをしっかりかけないと色塗りでインクが滲んでしまう場合があります。(コピックマルチライナーも同様)
- 水彩塗りで水性ペンを線画に使うと当然線がにじみます。
色塗りに使う画材によってはペンと相性の悪いものもあるので、事前に試し描き・試し塗りをしておきましょう!
方法3:短い線を繋げるようにして描く
ペン入れで線がガタガタになってしまう方も多いのではないでしょうか?
それはすべての線を1ストロークで描こうとしているからかもしれません。
上記のように工程を何度か分けながら、短い線を繋いで描くと手元がブレにくく、線の強弱もつけやすいです。
私の場合は横に向かって線を引くよりも、上下に手首を動かす方が手元がブレづらいです。
ですので、右の図の③の工程の時に、紙を描きやすい方向に回して上下に線を引くようにすると、より綺麗な線が引ける気がします。
曲線定規・テンプレート定規がおすすめ
背景で長い曲線を書きたい場合など、ワンストロークで一気に線を引きたい場合は自在曲線定規を使うのもおすすめです。
他にも円や多角形なら、テンプレート定規も使えます。
方法4:下絵を意識しすぎない
下描きの線をきっちりなぞろうとすればするほど、緊張してペン入れの線にぎこちなくなってしまいます。
下描きはあくまで補助・目安として、気軽にリラックスしながらペン入れをする方が、のびのびとした線が引けます。
↑いつも下描きの線はきっちりなぞらずにペン入れしています。
また、多少ペン入れで失敗しても色を塗れば気にならなくなることもあるので、よほど致命的な失敗でなければ気にせずに塗ってしまっても大丈夫だと思います。
ペンのみで一発描きを練習する
「下絵を意識しすぎない」といっても、どうしても下絵に捕らわれてしまうこともあります。
その場合の練習方法として、下描きなしでペンのみで絵を描く練習をするとペン入れが上達する気がします。
↑下描きなしで5分ほどで描いてみました。
下描きという補助線がない状態でも、パースを意識したり、対象物の形を捉えて描くことができれば、下描きありはイージーモードに思えてきませんか?笑
この下描き無し一発描き練習によって、ペン入れで線を引く時の迷いが少なくなると思います。
また下描きがないということは、「手前のものから先に描いた方が良いな」「この順番の方が描きやすいな」など、線の書き順や目に見えないパーツをよく考えるようになるので、イメージ力を鍛えられます。
ペン入れに失敗した時はペンタイプの砂消しを使う方法もあり
いわゆる砂消しのペンタイプのものがあります。
小さい箇所で少しだけペン入れで失敗してしまった場合などは、このペンタイプの砂消しを使って修正することも可能です。
砂消しと同様に紙の表面を削って線を消すので、細目の紙・薄い紙のものだと難しいこともあります。
厚め・粗目の紙を使っている方は砂消しでもあまり紙を傷めずに済むので、試してみる価値はあると思います。
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まとめ:各自にあった方法を模索しましょう!
今回ご紹介したのは、あくまでも個人的なコツや練習方法ですが、そもそも絵を描くのにルールや決まった手順なんてありません。
ご紹介した方法はひとつの参考程度に受け止めていただき、ぜひそれぞれに合った方法を模索しましょう!
▼初心者向けコピック講座
▼線画メイキング動画