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こんにちは。Webデザイナー兼コピックイラストレーターの柚水流亜( @yuminaruaBlog/@yuminarua)です。
普段の色塗りでコピックを使用している方の中には
- 細かいパーツや模様を塗る時に、インクがはみ出してしまう
- ついつい色をたくさん重ねてしまい、”塗り残す”部分を作るのが苦手
という方も多いのではないでしょうか?
私もコピックは大好きですが、「コピックの特性面で難しい塗り方もある」と感じていた一人です。
そんな私が、最近イラストに【ペンタイプのマスキング(マスキングペン)】を使うようになりました。
マスキングペン購入当初はまだ手探りで使い方を模索していたのですが、1年ほどイラスト制作にこの画材を取り入れてみて、今までできなかったコピックの塗り方に挑戦できるようになりました。
今回はそんなマスキングペンについて、
- マスキングペンをコピックと併用する時の注意点やコツ
- コピックイラストにおけるマスキングの使用例
- マスキングをイラストに取り入れるメリット
など、個人的に感じたことを色々と解説してみます。
▼ 2018年のオススメ画材としてもご紹介しています
マスキングとは?
マスキングとは、塗装などの際に”色をつけたくない部分”が汚れないようにするための対策として、専用のテープなどであらかじめその部分を「保護しておく」手法のことを言います。
今まで使ってきた画材によっては「マスキング」にあまり馴染みがない方もいるかもしれませんが、
- プラモデルなどの塗装
- エアブラシや水彩
などの、細部の塗装が難しい画材やツールを扱う場合は「マスキング」は頻繁に行われています。
現在販売されているマスキングをするための道具としては、大きく分けて
- 【液状】従来のボトルタイプ(手持ちの筆やつけペンにつけて使う)
- 【液状】ペンタイプ
- 【シール・テープ状】貼って剥がせるタイプ
の3種類のタイプがあります。
最近は貼って簡単に剥がせる便利さから、可愛い柄の「マスキングテープ(いわゆるマステ)」が流行っており、ノートなどの装飾用として人気ですね。
イラスト作品で使用する場合は使用に問題ないか、事前にテストしてから使用するようにしましょう。
従来のボトルタイプ(液状)のマスキング
筆やペン先につけて使いますが、使い終わった後に筆の汚れをきちんと落とさないとマスキング液が筆についたまま固まって筆がダメになることがあるので、石鹸水や専用のクリーナーを使って筆を洗う必要があります。
- 筆につけて使うので、広範囲のマスキング使用にオススメ
- 価格に対して内容量が多いので、コスパが良い
- 筆の用意、片付けで筆を綺麗にするのが面倒(後処理が悪いと筆がダメになることも)
- 細かい範囲には使いづらい
(ペン先につけられますが、マスキングがすぐに乾いてダマになるので、頻繁にペン先を掃除しないといけない)
▼汚れたペン先を掃除するためのマスキングクリーナー
▼乾いたマスキング液を剥がすためのラバークリーナー
ペンタイプのマスキング(細かい範囲の使用にオススメ)
ペンタイプのマスキング「pebeo ドローイングガムマーカー」が2018年夏あたりから登場してから、個人的には便利なペンタイプの方をよく利用するようになりました。
- 筆などの他の道具を用意しなくても手軽に使い始められる
- 後片付けが簡単
※pebeoの場合、石鹸水でペン先を毎回洗うことが推奨されていますが、私は3~4回使用するごとに1度洗っている程度です。 - 細かい部分のマスキングがやりやすい
- ボトルタイプに比べると、内容量に比べて価格が少し高め
- 広範囲のマスキングに向かない
ペンタイプのものもいくつかのメーカーから商品が出ています。
通常、マスキング液を剥がす時はラバークリーナーを使いますが、ペンタイプのものは消しゴムでも剥がせるので、私はいつも消しゴムを使っています。
貼って剥がせるタイプのマスキング(シール・テープ状)
イラストではあまり多用することはありませんが、シールのようになっているので用途によっては液体タイプよりも重宝します。
▼直線にマスキングしたい時はマスキングテープを使う方が効率的
- カッティングして貼って剥がすだけなので、準備も片付けも簡単
- 円形・直線のみといった幾何学的なマスキングの場合、液体タイプより綺麗にマスキングできる
- プラモデルのような液体タイプのマスキングが使えない場所でも、シール状なので使用可能
- 細かく複雑な形のマスキングに向かない
- 剥がす時に紙を痛めることが多い
マスキングペンをコピックイラストで使う時の2つのコツ
私がよく使うペンタイプのマスキングについて、コピックイラストで使用する際のコツをご紹介します。
以下の2点に注意して使用すると失敗しにくいです。
- 上からコピックを重ねる時は”サッと”重ねる
- インクがにじみにくい紙を使う
コツ1:上からコピックを重ねる時は”サッと”
コピックはインクが紙の繊維を染めることで着色する画材です。
マスキングをした上からコピックのインクを塗りすぎると、コピックのインクが紙の繊維を伝ってしまい、マスキングした部分にも色がにじんでしまうことがあります。
対処法としては、あえて本来の範囲よりも広めにマスキングしておいて、マスキングを剥がしてから細かい所は後で塗るという方法もあります。
コツ2:紙はインクがにじみにくいものを使う
コツ1でもご紹介したように、コピックは紙の繊維を染色する画材です。
そのため、インクがにじみやすい紙(コピー用紙や和紙)などでは、うまくマスキング部分が保護されずに色がついてしまう可能性があります。
またペンタイプに限らず言えることですが、マスキング液そのものの色が染みにならない紙・マスキングを剥がす時に破れにいくい紙を使うようにしましょう!
ちなみに私がよく使用する紙としては
- インクが程よくにじみ
- 表面がつるつるしていてマスキングを剥がす時に破れにくい
といったメリットから、「厚口上質紙」や「ケント紙」を使っています。
マスキングペンの具体的な使用例
ペンタイプのマスキングは細かい模様も簡単にマスキングできるので、具体的な使用例としては以下のような場面が考えられます。
- 着物や洋服の柄
…コピックでは細かすぎて描くのが難しい柄などに使えます - 宝石のハイライト
…白抜きの方が、後塗りのホワイトでは絶対に出せない質感が出ます - 光の表現
…火の中心部や、夜空の星など - その他
…細かい模様(葉脈)や、背景などで間違って塗ってしまわないように保護したいところ
基本的には本来のマスキングと同じ使い方で
- 間違って塗ってしまわいないための保護
- 細かい模様や、後から別の色をつけたい場合の白抜き
という2種類の使い方になります。
宝石を塗る時のマスキング使用例
宝石を塗る時には、今ではほぼ必ずといっていいいほどマスキングを使うようになりました。
- 宝石のハイライト
- 鉱石の表面の凸凹感
を表現するために、ペンタイプだと細かくマスキングができてとても便利です。
① 鉱石の表面の凸凹と、ハイライトになる部分をマスキングで保護する
宝石を塗る際はたくさん色を重ねてグラデーションを作るので、あらかじめマスキングでハイライト部分を保護をしておくことで、色の塗りすぎ防止にも繋がります。
② マスキングの上から宝石の色を塗る
マスキングを施した上から、宝石の透明感を意識しながらベースになる色を塗っていきます。
③ マスキングを剥がして細かい色合いを調整する
マスキングを剥がしたあとの白抜き部分に0番でにじみを加えたり、色を重ねてより宝石感が出るように調整します。
着物や洋服の柄を塗る時のマスキング使用例
①柄を保護・白抜きしてから生地を塗る
着物の柄をマスキングで保護しておくことで、着物の赤い生地を塗る時に、柄が汚れるのを意識せずに塗ることができます。
② マスキングを剥がす
必要な箇所が塗り終わったら、マスキングを剥がします。
※マスキングの上から塗り重ねすぎると、マスキングを剥がした後に写真のようにマスキングした箇所にもインクがにじんでしまいます。
③ マスキングを剥がしたあと、追加で塗り足す
マスキングを剥がしたあと、完全に綺麗に白抜きされることはあまりないなので
- マスキングによって塗り残された部分
- 白抜き部分にインクが滲んでしまった部分
に陰影や色を塗り足して修正を加えます。
まとめ
私はボトルタイプのマスキング液も持っていますが、今までコピックでイラストを描く時にマスキングを使うことはなく持て余していました。
ですがマスキングペンに切り替えたことで、コピックで色を塗る際に
- 今まで敬遠していた大胆な塗り方
…予め汚したくない部分をマスキングで保護しておける - 時間がかかっていた細かいパーツの塗り
…避けて塗らないといけない細かい模部などを、マスキングで保護することで気にせず色を塗れる
このような塗り方にも積極的に挑戦できるようになりました。
これにより表現の幅が広がり、制作時間の効率化にも繋がったように感じています。
以上、マスキングペン気になっている方の参考になると嬉しいです♪
▼今回ご紹介したペンタイプのマスキング