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こんにちは。Webデザイナー兼コピックイラストレーターの柚水流亜( @yuminaruaBlog/@yuminarua)です。
アニメや漫画のイラストを描く際に切っても切り離せない「背景」。
人物は描くのは楽しいけど、背景は苦手という方も多いのではないでしょうか。
しかし背景を描くだけでイラストの迫力が増し、一気に作品としてのクオリティが上がるのもまた事実です。
今回はそんな「背景」に使える
- 青空と雲
- 夜空と月
- 宇宙
のコピックでの塗り方について、なるべく初心者さんでも分かりやすいように動画を使って解説していきます。
青空と雲
- 青空と雲:0・C00(あれば)・C0・B0000(あれば)・B000・B00・B02・B05・B12・B41・B60
- その他の画材:色鉛筆の白(動画ではチャコールホワイトを使っています)
「青空と雲」の塗り方
① 雲のアウトラインをコピックで描く
C00(C0でも可)でどの辺にどんな雲を描くか決め、ざっくりアウトラインを描きます。
② 雲の影を塗る
”もこもこ感”を意識しつつ、雲の下半分側を中心に雲の影をB60→C00でぼかしながら塗っていきます。
③ 雲周辺の空を塗る
アウトラインを描いた雲を避けながら、周辺の空をB000→B00→B02で塗ります。
最初はコピックを寝かし気味にして、大雑把な塗りで大丈夫です。
④ 空の色をグラデーションにする
空にB02を部分的に塗り、B00を重ねてぼかしてグラデーションを作ります。
⑤ 雲の輪郭を調整する
塗り残した雲の輪郭を微調整しながら、空の色を塗り足していきます。
空の青と雲の白の境界線をぼかす所と、あえてハッキリさせる所を作ったり、コピックのペン先を払いながら塗ってムラを出すことで、立体感のある雲を表現します。
⑥ 空に奥行きを出す
更にB02を重ね、空色の部分にもグラデをつけることで、薄く雲がかかる部分や空の奥行き感を表現します。
⑦ 雲の立体感をつくる
B41をC00でぼかしつつ、雲の陰影を濃くし雲の立体感を作っていきます。
⑧ 雲の形を微調整する
空全体を塗り進めながら、更に雲との境界線を薄い色でぼかしたり雲の形を微調整していきます。
B00・B12・B02・B0000などを使っています。
⑨ 空色のグラデーションを更に濃くする
B05→B02で空の高いところを濃い青色のグラデーションにし、空の鮮やかさを追加します。
⑩ 雲の隙間を作る
雲の隙間から見える空色を意識して、部分的に灰色みのある青(B41)を雲に塗り、B60でぼかします。
⑪ 0番(カラーレスブレンダー)で雲のもくもく感をつくる
0番(カラーレスブレンダー)で色を抜きながら、雲のもくもく感を足します。
⑫ ホワイト
最後に白色鉛筆(今回はチャコールホワイトを使っています)や、パステルで雲のもくもく感を書き込んで完成です。
【完成】
夜空と月
- 夜空と雲:0・C0・B000・B63・B60・BV29・BV25・BV23・C3・C1
- 月:YR30・Y0000・W1・W3・Y21
- その他の画材:コピックマルチライナー(クールグレー)・色鉛筆の白(動画ではチャコールホワイトを使っています)・Juiceup(ホワイト)・Signo(ホワイト)
「夜空と月」の塗り方
① 月を描く
円形定規などを使って月を描きます。
月のクレーターを意識して【Y0000→Y21→W1→YR30→W3→YR30】の手順で月表面のデコボコを書き込みつつ、色を塗ります。
② 月の周辺の光を塗る
夜空に浮かぶ月の光を表現するため、Y0000→B21→B000で月の周辺を塗っていきます。
更に周辺の夜空の色にもなじむようにB63をツナギとして、B63→B21→Y0000で月の周りを塗る。
③ 雲のアウトラインをコピックで描く
”もこもこ感”と陰影を意識しつつ、B60で雲の形(アウトライン)と影をざっくり描いてきます。
④ 月の反射光を塗る
雲の表面に月の光があたることをイメージして、月の反射光をY0000で塗っていきます。
⑤ 雲の影を塗る
月の光の逆光になる部分に、雲自体の影をC3・B63で描き込み、それをC0・C1でぼかしていきます。
雲を塗る時はあえて雑にペン先を動かし、塗りムラができるようにして塗ると雲の"もくもく感"が出るような気がします。
⑥ 夜空を塗る
雲の輪郭を残しながらBV29→BV25→BV23→B63→B21のグラデーションで夜空を塗ります。
雲を塗り残す時の空と雲の境界線は、B000・B60でぼやけさせる所と、あえて境界線をぼかさずにハッキリさせる所を作ると立体感のある雲に見えると思います。
月の周辺は青系の明るい色で空を塗り、あらかじめ塗っておいた月明かりの円形部分と自然なグラデーションになるように色をなじませます。
⑦ 雲の輪郭を調整する
雲の輪郭を
- B000を使った青白い光
- Y0000で月の光の反射
- C1で夜空に溶けこむ表現
を組み合わせて、立体的に仕上げていきます。
B21をC0・B60などでぼかして雲の影を濃くしたり、空の色を塗り重ねて濃くしたりして、イメージに近くなるよう調整を繰り返。
夜の雲は陰影の面積も大きく、意外と濃い灰色や紫色をしているので、雲の陰影を更にC3を重ねて調整します。
空を塗り足して雲のもくもく感を追加したり、細かい雲のディティールを微調整していきます。
⑧ 0番(カラーレスブレンダー)で雲のもくもく感をつくる
0番(カラーレスブレンダー)で色を抜いて、雲の質感を足します。
⑨ ホワイト
最後に白色鉛筆(チャコールホワイト))やパステルで雲のもくもく感を書き足します。
最後にホワイトを使って星や月のクレーターを書き込めば完成です。
今回は Juiceup(ジュースアップ)・Signo(シグノ)を使っています。
【完成】
▼ 同様に夜空を描いた作品のメイキング記事
宇宙
- 宇宙:0・BG01・BG05・B0000・FBG2・FYG1・BV04・BV34・B21・B66・B37・B99・V01・V06・V17・V15
- その他の画材:pebeoマスキングペン・Juiceup(ホワイト)・Signo(ホワイト)
今回はマスキングを使っています。
「宇宙」の塗り方
① 下準備:マスキングで星を描く
マスキングペンで星の点をランダムに描きます。
最初のマスキングが乾いたら、V01・V06・BG01・BG05・FBG2で、ざっくり下塗りをします。
② 下塗りの上から再度マスキングで星を描く
下塗り後、再びマスキングペンで星を点々と描きこみます。これで後でマスキングを剥がすと白い星と色付きの星ができあがります。
③ 宇宙の色を塗る
マスキングが乾いたら宇宙の暗闇の色を塗ります。
B99・B66・B37・B21・BV04といった、濃い紫・青系を中心にグラデーションを作っていきます。
④ 下地の色と暗闇の色をなじませる
ある程度濃い色を塗り終わったら下地に塗った水色やピンクとグラデーションになるよう、B63・BV34・V15・BG05・FBG2などを重ねます。
⑤ 全体の色味を調整
バランスを見て、上から赤紫(V15)や0(カラーレスブレンダー)などを重ね、全体の色味を調整します。
バリオスインクを直接垂らしてグラデーションにしても良いと思います。
⑥ マスキングを剥がす
消しゴムやラバークリーナーを使ってマスキングを剥がします。
⑦ 星に色をつける
マスキングを剥がした後の白抜き部分に、0番で境界線をにじませたり色を重ねて星に色付けをします。
FYG1(蛍光イエロー)を差し色で少し塗ります。
差し色を入れると青・紫系の色だけよりも、鮮やかで締まりのある画面になる気がします。
⑧ ホワイトを入れる
最後にホワイトを使って細かい星を更に描きこめば完成です!
今回は Juiceup(ジュースアップ)・Signo(シグノ)を使っています。
【完成】
今回使用した画材一覧
今回の動画で使用した紙です。
インクの滲み具合が弱めなぶん、重ね塗りをしても線から色がはみ出しにくいです。
一方で、ばりばりにグラデーションを活かしたい塗りの場合は、滲みが弱くて物足りないかもしれません。("滲み"を多用したい宇宙を塗るのは少し大変でした)
いわゆる白色の色鉛筆です。通常の色鉛筆に比べて白色が濃く、コピックの上からでもしっかり紙に色がノるので、今回のような雲の表現の時には役立ちます。
▼チャコールホワイトを含め、今回使用したSigno(シグノ)やJuiceup(ジュースアップ)についてもご紹介しています。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました(^^)